素朴な疑問・・・
楽器と糸の関係で以前から疑問を感じてたことを書いてみます。
この世界では糸の太さを16番ぐらいから19番辺りまでありますが皆さんは
どの太さの糸で演奏してるんでしょうか?
私の場合は色々です。
ソプラノ琴は16番、古典用、古い楽器や柔らかい楽器は17.5番・・・
お気に入りの「連」という楽器は18番。
この楽器は三郷市の国井久吉さんの作でひと頃は各派の著名な演奏家が好んで作ってもらってたと言う凄腕の職人さんです。(お弟子さんには岐阜の清水さんがいます、私の以前の師匠だった金沢の故釣谷雅楽房先生の愛用琴は清水作で1200万だったとか・・・)忠夫先生のアドバイスもあってこの方の楽器を手にしたのはもう20年ほど前のことですが実はこの楽器は一度手直しをしてます。
当時お付き合いしてた名古屋の楽器屋さんに無理を言って作ってもらったのですが楽器屋さんが名古屋の男性の若い演奏者なので「堅い楽器を!」と注文したらしく出来上がった楽器は私には堅すぎて腱鞘炎にでもなりそうなくらい力を入れないと鳴ってくれませんでした。(きっと忠夫先生ならいい音を出してくれたと思いますが・・・)
1年ほど弾き込んだけど遂にギブアップ。。。。
1990年、富山での活動デビューリサイタルで「甦る五つの歌」をこの「連」で是非演奏したかったので国井さんと懇意にしてる野田屋さん(富山のお琴やさん)にお願いして三郷市の国井さん宅に連れて行って貰いました。
国井さんはとても温厚な方で「私が作った楽器の持ち主と直に会うことなど長い人生で初めてです・・・」とビックリした様子。
またこんな事もおっしゃってました。
「この世界では職人が演奏者の希望を色々と注文主の楽器屋さんから聞くことはあってもこうやって持ち主から直に要望を聞く事って実はありそうでないことなんです。」とも・・・
なるほど・・・
私にとっては意外なことで、作り人と使用者が直に話するのが一番自然なのに・・・と。
色々と「連」を見て国井さんは確かに厚みを今までよりもカンナをひと掻き少なくしたかも・・・男性で力強く演奏するタイプと聞いていたからねぇ・・・(実際私はその逆で繊細な弾き方なのに・・・)
私もその場で何度か他の楽器も使って試し弾きをして私のタッチや癖を見て貰って「連」を調整修理して貰うことになりました。
約ひと月後・・・
新しくなった「連」を弾いて・・・
随分音が抜けるようになってて自分の気持ちと音のバランスが実感として伝わるようになってました。でも・・・それなりに失った者も実はあったんです。
修理前の高音域の澄んだ音色は失われてしまいました。特に巾の音の余韻の良さはなくなったのですが総合的には満足のいくものでしたしとても良い教訓を学びました。
この教訓はその後、忠夫先生の大阪での三弦レッスンが縁である時期勉強させていただいた地歌の名手、中野幹子先生からも教えられたことです。
(この話はまたの機会に・・・・)
話を元に戻すことにして
そろそろ「連」の糸を18番から17.5番に変えようかと思ってます。
「連」ももう耐用年数を超えそうなくらい酷使してますし随分痩せてきましたしね・・・
よくウチの流派では琴の糸は○○番に統一してるんですよ。
○ ○番以外は駄目・・・って
でもさぁ・・・・
そこの流派が楽器も糸締めも指定してるのならともかくも唯糸の太さだけを指定しても何の意味もないと思うのは私だけかなぁ・・・
重要なのは、いい音が出るにはどうしたらいいのかを考えることであっていわゆる「良い楽器」「良い糸」「お爪」そして演奏者の三位一体が重要じゃないのかなぁ・・・そう言う吟味できる「目」を養いたいもんです。
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